ここまでで、人を育てる理由と目的を理解できたでしょうか?
未来へ生き残る事を目指す人の為に、私の研究を公開します。
多くの企業を見てきた現状
1.現場の人たちは、基本的に他人を育てる気持ち・余裕・スキルがない。
2.どの会社も、上層部が強制的に教育をやらせている。
問題点:
強制的にやる気のない従業員に教育を行うので良い結果はでない。
製造現場を変える教育
製造現場の教育で重要なことは、
1.事前に教科書をつくる:ベテランの知識ではなく、「考えている事」を教える。
最重要1:育てるためには「考え方を理解させる事」。
1)ベテランが考えている事を手順書化。
2)ベテランの知識・経験は、文書化し手順書からサブルーチンでリンク。
2.強制ではなく、心理学でいう動機づけで自ら学ぼうという環境をつくる。
1)多能工をつくるために余力がある時に他部署へ応援者を出し合う。
※前後の工程を理解すれば自分の工程の能力が格段に上がる為。
2)「教育担当者はできるだけ新人に近い人を任命する」←最重要2
※ベテランには、わからない人が何故わからないかが理解できない為。
3)「わからない事は何でも教育担当者に聞く」ように指示する。
4)教育担当者はステップアップ方式で理解させる教え方をする。
5)教育担当者にも「わからないことは上司に何でも聞く」ように指示する。
3.教え方の教育(ステップアップ方式)で「理解する」体質をつくる。
1)掛け算を教えるには、足し算を理解しなければならない事を大人は忘れている。
足し算を理解した事を確認してから次のステップを教える。←ステップアップ方式
10年にわたり、製造現場で実際に実験し効果を得た手法。
新人:人は、初めてのことを学ぼうとする時、必死で理解し覚えようとする。←自発的に学ぶ時期
新人:わからない事を何でも聞ける。←大きく成長できる環境
教育担当者:聞かれて困る(間違い・知らないは恥ずかしい・追い抜かれたら困る)←自発的に学ぶ時期
教育担当者:わからない事を上司に聞ける。←大きく成長できる環境
上司またはベテラン:聞かれて困る(間違い・知らないは恥ずかしい)←自発的に成長しなければ立場が危うくなる。
この手法で、部下であるパート女性4人の技術・スピードの他、向上意識が高く成長し過去にない現場ができた。
※どれだけ、凄いシステムかというと
1.自グループ内では正社員以上の有能なパートが他部署応援では大して使えないと言われる。
2.他部署の暇な人、入社したての新人を即戦力で使ってしまう。
つまり、短期間で育てられる現場は誰でも使える、人不足は皆無な環境になる。
正社員以上の作業ができるパートが無限に育つということは、当然、利益に反映される。
ここまで述べれば、わかってもらえただろう。
「製造現場で働く目的を理解し、強制ではなく自発的な環境を与えられれば1000年続く会社になれる事」
多くの会社でQC活動を見てきたが、形にとらわれている事を感じていた。
(どの会社も、知識を習得するための勉強会に見える)
それは何故か?
QCはあくまでも理論であり「使い方が重要」な事に目が向いていないから。
利益を上げるためのQC活動なのだから、実戦でつかえなければ意味が無い。
実践で使うとはどういうことか?
次世代QC活用術:
たったA4 3枚~4枚のテキスト
身近な問題例で基本のパレート図、特性要因図の作成訓練
(本格的でなくていい、簡単に早くつくれるようになること)
それらから何が問題で、どう改善を考えるかを訓練
色々な考え方で討議を行い、考えるスキルを伸ばす
※これらの教育課程で受講者は、次は自分が講師になることを意識して受講
受講者は2~3人で一番理解が遅い人に進みを合わせる。
次の例題は、受講者主体で進める
慣れてきたら、自分たちの職場問題を実践
流出不良(会社全体)データより、パレート図・特性要因図の作成
これより会社全体の問題把握
不良の多い職場の不良データも同様の把握
ここで、データの見方の訓練
データを見るだけで多くの予想が立つ
いつ・どこで・誰が・何を・どのようにして不良となったか考える
すると、データからではわからない多くの疑問が発生する
実際の現場で疑問をヒヤリング(研究)すれば簡単に特性要因図がうまる
特性要因図をみれば、改善案が浮かぶので実施→補正を繰り返せばよい
川の流れの様に、データから改善までを逆らうことなくできるように訓練
苦手意識が無く、当たり前になれば職場は見違えるほど変わっているであろう
※注意点1:データには良いデータと悪いデータがある
データによって改善結果が変わるので内容確認が重要
良いデータ:一般にいう5W1Hで構成
悪いデータ:正しくないデータ→不良を認識していない場合が多い
例:流出で「テープはがし忘れ」があるのに不良データに無い
注意点2:今までのQCの悪い所は不良をまとめて改善のスタイル
一つずつ確実に消していく改善が重要。
そのために、全体の中の重要項目→職場の中の重要項目→一点の不良
それを徹底的につぶす訓練
そのやり方を次に伝える
以上をもって、次世代QC活用術と定義する。
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